こちらでは、ふとんの「素材」や「構造」
についてお話いたします
素材
動物系の「羽毛·羊毛」と、人工の「合繊」との大きな「違い」
ふとんの中綿には、主に「羽毛」「羊毛」「合繊」の3種類が使われます。「羽毛・羊毛」には、動物の体を守るために、保温性があったり、湿度を調整したりする機能が備わっています。人工の「合繊」の場合、繊維の構造で工夫をしたり、製造工程で加工をして、様々な機能をつけることができます。「羽毛」「羊毛」「合繊」には、それぞれの良さがあります。

羽毛
羽毛ふとんには、水鳥(グースやダック)の羽毛が使われています。羽毛の持つ保温性や吸湿性、発散性など自然環境を生き抜く機能が、ふとんにも適していることから、主に掛けふとんの中綿として使われ、人間の睡眠にもいい影響をもたらします。
羽毛ふとんの特徴
- 空気を多く含み、ふんわりしている
- 汗を吸収・発散してくれるので、蒸れを感じにくい
- とても軽く、体にフィットしやすい
- 他のふとんと比べて、ヘタリにくい
- 暖かい空気を逃さず、冷気の侵入も防ぐため、寝心地が良い

羊毛
羊毛ふとんには、ニュージーランド、フランス、イギリス産などのウールが使用されています。羊毛は、繊維の表面がウロコ状で、独特のちぢれ(クリンプ)があることから、保温性や吸湿性、発散性と、弾力性にも優れており、掛けふとんと敷きふとんの、どちらの中綿としても使われています。また、合繊の綿とミックスして使われる場合も多いです。
羊毛ふとんの特徴
- 独特のちぢれ(クリンプ)により、優れた弾力がある
- 湿気を与えると、自然と温かくなる
- ウール独特の臭いがあり、湿気を吸収したままにすると臭いが出やすい
- 汗を吸収・発散してくれるので、蒸れを感じにくい

合繊
合繊ふとんには、石油などの原料から人工的に合成される繊維(主にポリエステル)が使われています。合繊は、製造工程で「抗菌防臭」や「防ダニ」などの加工がしやすいことから、掛けふとん・敷きふとん・こたつふとんなどの、幅広い製品の中綿に使用されています。また、固綿と呼ばれる敷きふとんの中芯材としても使用されています。
合繊ふとんの特徴
- 軽くて扱いやすく、お値段もお手頃な商品が多い
- 動物系特有の臭いがなく、清潔で衛生的
- 繊維が強いので、わたぼこりが出にくい
- さまざまな機能がついた商品があり、用途に合わせて選べる
構造
羽毛ふとん
側生地の中にあるマスに、1マスずつ決まった量の羽毛を吹き込み、最後に羽毛の吹き込み口を縫い合わせます。羽毛の量や産地、側生地のキルト方法などの違いにより、温かさが変わってきます。
立体キルト

二層式キルト

掛けふとん
「羊毛」·「合繊」·「羊毛と合繊のミックス」などの綿を側生地に入れて、綿入れ口を縫い合わせ、キルトをかけて仕上げます。通常のキルトの他に、体に添いやすいフィットキルトや、洗濯しても綿が偏りにくい格子キルトなどがあります。
フィットキルト

格子キルト

固綿敷きふとん
固綿と呼ばれる中芯材(※)を巻綿ではさんで側生地に入れ、キルトをかけてバイアステープで周囲を巻いて仕上げます。通常のキルトの他に、干しやすい2つ折りキルトや、収納しやすい6つ折りキルトなどがあります。(※)中芯材にはウレタンを使う場合もあります。
固綿敷きふとん(断面)

干しやすい2つ折りキルト

収納しやすい6つ折りキルト

三層敷きふとん
生地と巻綿を合わせてキルトをかけて、固綿をはさんでバイアステープで周囲を巻いて仕上げます。
ふとんの厚みを増やしたり、寝心地を良くするために、固綿を重ねて使用する場合もあります。
生地と巻綿を合わせてキルトをかける

固綿を重ねて使用した三層敷きふとん(断面)

巻綿
掛けふとんと同様に、「羊毛」・「合繊」・「羊毛と合繊のミックス」などの綿を使います。
固綿
ポリエステルのわたを固めたもので、厚みは1cm~8cmまで製造可能です。それ以上の厚みが必要な場合は固綿を2枚重ねます。腰が当たる部分を固めにしたバランス固綿や、折りたたみやすく体圧分散に優れたウェーブ固綿もあります。
バランス固綿

ウェーブ固綿

ウレタン
マットレスにも使われている素材で、「高反発ウレタン」「低反発ウレタン」「プロファイルウレタン」などの種類があります。
表面を凸凹にカットしたプロファイルウレタン
